シン・ヘンゼルとグレーテル〜幸せの魔法の杖〜

Original
原作者
Arche Sechsbaum
絵師
ソウダ・ミク
声優
映像監督
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    むかしむかし、ききん に みまわれた ドイツ の ある村 に、まずしい ハンス と マリー が いました。まいにち 食べもの は なくなっていきます。
    のこったのは、すこし の パン と、にひき の 子ぶた でした。
  • マリー は 子ぶた を 食べよう と 言いました。せわ を してきた ハンス は はんたい します。
    「ヘンゼル と グレーテル を 食べるのは かわいそう。あした、木のみ を ひろうから、がまん しよう」
  • ですが、マリー は おこりました!
    「そんなのは むり、おなか が へって しにそうだわ!」
  • けっきょく、ふたり は あした の 夜、子ぶたを 食べることにしました。
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    そのよる、ハンス と マリー が ねむりました。
    オスの ヘンゼル が さく に むかって たいあたり しました。
    メス の グレーテル は、それを かたすみで じっと見ています。
  • バキッ!
    ついに さく が こわれました!
    ヘンゼル と グレーテル は、ふかい 森の中 へ 走っていきました。
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    ヘンゼル と グレーテル は、夜の森 を 走ります。
    あら? 森の中に ひかり が みえました。そこから おいしそうな におい がします。
    おなか が すいていた ヘンゼルとグレーテルは ひかり に むかっていきました。
  • すると いいにおい が する おうち が あったので、
    さっそく ドア や かべ を 食べはじめました。
  • ところが 家 の なか から、まじょ が あらわれました!
    まじょは、まほう で うごけなくして つかまえました。
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    まじょ は ヘンゼル と グレーテル を 食べようと こや に とじこめました。
    ですが、おなか が すいていた ヘンゼルたち は、こや の かべ を 食べはじめます。
  • そこで まじょ は まほう の つえ を とり出すと、にひきの 前で ひとふりしました。
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    すると どうでしょう!
    かがやく 光 に つつまれた ヘンゼル と グレーテル は、かわいらしい 男の子と女の子に なりました。
  • まじょ は ふたり に ききました。
    「おまえたち の なまえ は あるのかい?」
    ふたり は ヘンゼル と グレーテル だとこたえました。
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    ふたりは、とても かしこい 子どもに なりました。
    いえ、もとから かしこかった のかもしれません。
    ヘンゼルとグレーテルは、まじょ の 言うことを よくきき、まじょ の 手つだいをして すごしました。
  • まじょ は ふたりを 食べることを すっかりわすれ、じぶんの まご のような きもち に なっていました。
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    ある日、まじょ は、だいじな話がある と言いました。
    「おまえたち は よい子に なってくれた! 子ぶた だった おまえたちを 食べなくて よかったよ」
  • ヘンゼル は ニコッと わらいました。
    「これまで めんどう を 見てくれて ありがとうございました」
  • まじょ は 思わず なみだ を ながしました。
    「ひとに されて、さぞ つらかった だろうねぇ。いま、まほう を といてあげるよ。」
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    まじょ が まほう の つえ をとりに じぶん の へや に むかうと、ヘンゼル は グレーテル に あいず を 出しました。
    すると、グレーテル は かくしていた かなづち を ふり下ろしました。
    ドカッ!
  • まじょ は たおれて、うごかなくなりました。
    「あんな せいかつ には もどりたくないよ。」
    「ほんと、そのとおりだわ!」
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    ふたりは まじょのへや に 入りました。まじょ が かくしもっていた ほうせき と まほうのつえ を もちだす ためです。
  • 「このほうせき を まちで うれば、しあわせに なれそうだわ!」
    グレーテルは うれしそうに ほうせきを もちあげました。
    「ぼくは まほうのつえ で やりたいことが あるんだ」
    ヘンゼルは、ゆかに おちていた まほうのつえ を ひろい上げました。
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    ヘンゼルとグレーテルは、ハンスと マリーの家に もどってきました。
    「何のようだい? あたしは おなか が へって 気が立っているんだよ!」
  • ヘンゼルが せつめいしました。
    「ぼくたちは かぞく と はぐれて まいご に なりました。」
    グレーテルは、マリーの前に 大きなふくろ を だして 言いました。
    「ひとばん とめてください。おれい なら ここに あります。」
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    二人は 家に はいる ことが できました。
    「おれい を さきに 見せておくれ」
    マリーは にやっと わらって聞きました。
  • グレーテルが 大きな ふくろ を テーブルの上で さかさ に しました。
    ふくろ から ほうせきが でてきました。
    それを みて ハンスとマリーは こどものように はしゃぎました。
  • そのとき、ヘンゼルが まほうのつえ を かざしました!
    まぶしい光が、ハンスとマリーに ふりそそぎます。
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    ハンスとマリーをつれて、まじょの家 に もどった ヘンゼルとグレーテル。
    テーブルの 上に 大きな ぶたの まるやき があります。
  • 「どうして にひき いっぺんに やかなかったの?」
    グレーテルは ヘンゼルに ききました。
  • 「ハンスは、ぼくたちを かばってくれたからね。」
    ふたりは ニッコリと わらうと、おいしそうに 肉を 食べたのでした。